2015年6月2日取材
シティタワー目黒 (住友不動産)
インプレッション1——「都心部での注目要素」を多く備えるマンションである

私は30年以上、マンションの取材を続けている。その経験から、この1年ほど、山手線の内側でマンションの新規分譲が極端に減ったと感じている。特に大規模マンションは少ない。この傾向は今後も続くだろう。おそらく2020年東京五輪までは……。

新規分譲が減った結果、希に出てくる都心・駅近・再開発・大規模など好条件を備えた物件は値段が跳ね上がり、売り主によっては相場からかけ離れた価格で分譲する傾向が出ている。「2020年まで売り物は少なく、価格が上昇するのは間違いない。だったら高めの価格設定でじっくり売ってゆこう」という発想である。

その結果、都心立地で納得できる価格設定、内容充実のマンションが出ると、人気が高まる。それらは短期間で分譲を終えるケースが多い。まさに、うかうかしていられない時期なのだ。

住友不動産がこれから分譲を始めるシティタワー目黒は、そんな“うかうかしていられない都心マンション”のひとつだと私は考えている。理由は、「山手線外縁部」で「利便性と環境のよさを兼ね備える」、さらに「建設地の地盤が固い」。「目黒を最寄りとするエリアで、希少な大規模超高層」「居住性重視の間取り」「設備仕様のレベルが高い」など、注目ポイントを数多く備えるからだ。

以下、注目すべきポイントをひとつずつ解説してゆこう。

インプレッション2——最初の注目点は「山手線外縁部」であること

今、山手線内側は特別な場所になりつつある。それは、外国人や日本人でも地方の富裕層が盛んに都心マンションを買っていることの影響だと私は考えている。

外国人と地方の富裕層は、東京の住宅地事情を詳細には知らない。地理不案内なので「都心と呼ばれる場所」の線引きを求める。この線引きでわかりやすいが「山手線の内側」という区分け。それで、山手線内側だけが価格高騰しやすいことになる。

山手線内側が地価高騰するなら、狙い目は山手線外縁部だと私は思っている。シティタワー目黒が建設されるのは、まさにその山手線外縁部。ただし、山手線外苑部であればどこでもよいというものではない。

次に重要なのは「利便性と環境のよさを兼ね備える」という条件だ。

インプレッション3——「利便性と環境のよさを兼ね備える」という点について

マンションは便利な都心部や駅に近い場所がよいとされている。しかし、都心でしかも駅に近い場所は緑の多さや、静かさなど環境のよさを求めにくい。二つは矛盾する要素となる。

シティタワー目黒の建設地は、この矛盾する要素を兼ね備える。

建設地は、山手線目黒駅から徒歩10分。山手線「五反田」駅はほぼフラットな道を歩いて10分。さらに、建設地から徒歩4分に東急目黒線「不動前」駅がある。東急目黒線は地下鉄の南北線、都営三田線に乗り入れているので、都心各地へのアクセスがよい。実際には、「不動前」駅を利用することが多くなるだろう。

シティタワー目黒に住めば、3駅6路線が徒歩10分圏で利用できるわけだ。加えて、建設地から徒歩2分の東急ストアをはじめ、歩いて10分の圏内に7つのスーパーマーケットが点在。そのなかには24時間営業のマルエツ目黒店が含まれるなど、買い物の利便性も高い。

一方で、建設地は目黒川に面し、川沿いの桜が身近。マンションの敷地内にも桜が植えられ、川沿いの桜並木と連続する緑地帯を形成している。マンションの敷地は約55%がオープンスペースとなり、桜以外の樹木も豊富だ。シティタワー目黒は緑に囲まれたマンションになる計画なのだ。

シティタワー目黒は、利便性と環境のよさを併せ持つ場所のマンションと評価されるのである。

インプレッション4——「建設地の地盤が固い」と「目黒を最寄りとするエリアで、希少な大規模超高層」である点について

シティタワー目黒の建設地には、もうひとつの注目点がある。それは、災害に強い場所である、という点だ。

まず、地震が起きたときの安心感という意味では、建設地の地盤に注目すべきだろう。その地盤は非常に固く、杭打ちをしない直接基礎で建設される。杭打ちをしなくて大丈夫かと思われがちだが、じつは日本を代表する超高層建築の多くは固い地盤の場所を選び、杭打ちをせずに建設されている。例えば、横浜のランドマークタワーも新宿の東京都庁も直接基礎で、制震構造を採用している。シティタワー目黒も、同様に固い地盤の上に建設され、制震構造を採用……大きな地震が起きても安心感の大きな方式だと評価される。

もうひとつ、目黒川沿いに建設されることから、大雨による川の氾濫を気にする人もいるだろう。その不安に対する安心材料が生まれている。それは、目黒川の水量が増えたとき、一時的に水を溜めておく「荏原調整池」が平成14年に完成していること。品川区の「大崎第一地区センター」の地下に設けられているもので、その貯水量は25mプールで約670杯分に相当する巨大なもの、この調整池ができてから目黒川の氾濫による浸水被害は報告されていない。これも安心材料になるだろう。

以上、建設地に関する注目点は数多い。一方で、目黒駅を最寄りとする超高層・大規模マンションは数が少ない。目黒区全体を見渡しても、超高層・大規模マンションは希だ。それは、目黒区が世田谷区や杉並区と同様、23区内の住宅エリアとして発展してきた歴史と無縁ではない。

住宅エリアとしての落ち着きを守ろうとするため、マンション建設に関する規制が多い。超高層や大規模のマンションは開発の許可が下りにくいのだ。ところが、目黒駅周辺は目黒区と品川区の区界に位置し、目黒駅もシティタワー目黒の建設地も住所は品川区となる。それで、同マンションは地上25階建て、総戸数244戸となる超高層・大規模の計画が実現した。品川区であれば、区の子育て支援が充実しているし、日野学園など全国的に知られた公立小中学校が多い。シティタワー目黒の建設地は、いわば目黒と品川のいいとこ取りした立地となるわけだ。

また、山手線の駅で「駅から徒歩10分以内」に位置する超高層・大規模マンションの例は少ない、という事実もある。目黒駅周辺をみても、すでに完成しているマンションで「最新」といえるのは約9年前に分譲されたものだった。その希少性も含めて、注目点の多い立地と評価される。

インプレッション5——「居住性重視の間取り」で「設備仕様のレベルが高い」ことにも注目

シティタワー目黒は、建物の注目点も多い。

外観は煉瓦調のタイル張りをアクセントとし、一部白いフレームを配置。そして、建物の四隅にはコーナーガラスによる「ダイナミックパノラマウィンドウ」があり、お洒落で落ち着きのあるレジデンスの雰囲気を醸し出す。建物が完成すれば、目黒川沿いの桜、敷地内の緑と一体化して、目立つマンションになるだろう。

エントランスもリッチだ。エントランスホールは2層吹き抜けで、天井高は最大約7mに。和の雰囲気を活かしたエントランスの内装にもタイルを多用し、ヴィンテージホテルを思わせる。クラシカルなムードの内装に仕上げられるわけで、これなら今後何十年経っても陳腐化しないだろう。賢い手法だと評価される。

前田建設工業によって施工される建物は、柱形を住戸の外に出すアウトフレーム構法を採用。住戸内に柱の出っ張りが生じず、きれいな四角形の間取りになっているのが特徴だ。間口の広い(1LDKでも6.8mあり、最大で11m)ワイドスパン設計によって住戸内の廊下面積が小さいこともあり、室内の有効面積が大きい。加えて、下がり天井が少なく、天井高は全戸2.6mに。バルコニーは奥行2mのゆとりあるサイズなのだが、注目すべきは、バルコニー部分の天井高。床から上の庇まで3m以上ある。これは、階高(建物における1フロアの高さ)が大きい証拠だ。

超高層タワーマンションの場合、「窓のない部屋」が生じやすいのだが、シティタワー目黒では、すべての居室に窓が付く。そして、角住戸タイプには、眺望の広がるコーナーサッシも設けられる。周囲に超高層の建物はないので、中層以上の住戸であれば眺望が開けるだろう。北東方面には目黒川と都心部の光景が。西方向には富士山と夕陽の光景を堪能できるはずだ。

すっきりした室内でゆとりのある生活を実現する室内もシティタワー目黒の大きな評価ポイントである。これは、居住満足度を高めることを第一に考えて設計されているためだろう。都心マンションでは、この居住性が二の次にされがち。しかし、長く住み続けることを考えれば大事なポイントである。

設備機器のレベルも高い。キッチンにはディスポーザーと食器洗い乾燥機が標準設置され、カウンターは天然石仕上げだ。手洗い器が別に設置されるタンクレストイレで浴室にはミストサウナも標準設置される。

一方で、ムダな共用施設を省き、エントランス以外の共用施設はフィットネスジムくらい。このフィットネスジムは、住友不動産の都心物件の場合、24時間オープンになることが多い。都心暮らしの人の生活パターンに合わせた工夫だ。

シティタワー目黒の価格は、取材時点で未定。しかし、私の見込みでは2LDKの住戸で7000万円台、3LDKは角住戸なので1億円台(いずれも1000万円単位)になるのではないか。さらに、同マンションには毎月の管理費・修繕積立金を極力抑える工夫も盛り込まれる。が、詳細は公表されていない。分譲価格と管理費・修繕積立金の発表に注目したいところである。