2016年7月25日取材
ルピアージュ田無 (中央住宅)
インプレッション1——「マンション丸ごと」の「リノベーション」物件である

「ルピアージュ田無」は、これまで取材してきた新築分譲マンションと異なる。新築ではなく、リノベーションのマンションである。それも、「マンション丸ごと」を「リノベーション」した物件……私は、この「マンション丸ごと」「リノベーション」物件に、以前から注目している。狙い目物件が多いからだ。

ただし、その数は少ない。「ルピアージュ田無」は、久々に登場した「マンション丸ごと」を「リノベーション」した注目物件。そのため、リノベーションの工事がまだ行われている時点で取材を行い、いち早くレポートを出した。

なぜ、私が「マンション丸ごと」「リノベーション」した物件に注目しているのか。 「マンション丸ごと」を「リノベーション」した物件の価値を一つずつ解き明かしたい。

インプレッション2——本来のリノベーションは、「建物を丸ごと刷新」し、生まれ変わらせること

リノベーションとは、「革新」や「刷新」を示す英語。本来は、倉庫だった建物を住宅に変えるように「生まれ変わらせること」を意味する。

もっとも、日本では、従来の「リフォーム」よりも大がかりなリフォームのことを幅広く「リノベーション」と呼ぶ傾向がある。そのため、日本で「リノベーション」というと、内容は二つに分けられるのが実状だ。

一つは、マンション内の一部住戸だけを刷新するもの。1住戸だけとか、数住戸だけの内部を造りかえるわけだ。それは、本来のリノベーションではなく、「全面リフォーム」だと思うのだが、一般的には「リノベーション」と呼ばれている。

もう一つは、建物を丸ごと刷新させ、用途を変えて生まれ変わらせるリノベーション。全20戸の規模なら、20戸すべての内部を刷新。それだけではなく、建物の外装やエントランス、共用廊下までも変えてしまう。こちらのほうが、本来のリノベーションである。ただし、日本では倉庫だった建物をマンションにつくりかえるようなリノベーション事例はまだない。

日本で実例が出ている本来型リノベーションは、社宅として使われていた建物を丸ごと分譲マンションに刷新するもの。

「ルピアージュ田無」は、社宅を丸ごと刷新するリノベーションマンションである。丸ごとリノベーションだから、「こんなことまでできるのか」と驚くようなことが実現する。

実際、「ルピアージュ田無」の工事現場は驚きの連続だった。

インプレッション3——丸ごとリノベーションならば、一般的なリノベーションではできないことも可能に

「ルピアージュ田無」では、建物を丸ごと刷新する大がかりな工事が行われていた。4月1日から工事が始まっているので、約4ヶ月間をかけてリノベーションが行われることになっている。

その工事は、総タイル張りの外壁を補修し、建物の見栄えを上げるに留まらない。社宅時代にはなかったオートロックを設置し、セキュリティを高めている。これは、簡単なことではない。

社宅時代の建物は、地上3階建てで2戸1階段(隣り合う2戸の間に階段室を設ける方式)で、誰でも出入り自由だった。そこで、リノベーションでは、オートロックの装置が2戸1階段ごとに新設される。

2戸1階段ごとにオートロックを設けるなど、現在の新築マンションでは費用がかかりすぎるので、なかなか実現できない方式だ。

1階住戸には広い専用庭を新設(社宅時代は専用庭がなかった)し。1階住戸の一つは共用の集会室とし、住み心地を高める。

さらに、各住戸内は、スケルトン(骨格状態)まで戻して、断熱材を入れ替え、配管を新しいものに交換。玄関ドアも最新のものに交換するといった徹底的な刷新が行われる。

住戸内の間取りや設備は購入者の希望で選ぶことができることになっている(適用期間あり)。建物内には5タイプのモデルルームを設置し、それとは別にスケルトン状態の住戸も見学可能。購入者は5タイプから好みのものを選び、好きなポジションの住戸に当てはめる方式である。

当然ながら、住戸内の設備、システムキッチン、システムバス、洗面台、便器などは新品に変更される。

インプレッション4——24時間換気装置や24時間ゴミ出しOKなど、最新の住み心地を実現

「ルピアージュ田無」は、大企業の元・社宅。平成5年に長谷工コーポレーションによって建設された。今回、リノベーションを行うのは長谷工リフォーム。同じグループ会社がリノベーション工事を手がけることの安心感が大きいし、既存建物住宅性能評価を取得、瑕疵担保保証が付く、住宅ローンのフラット35が利用できる、といったメリットもある。

社宅として建設された平成5年当時、マンションには24時間換気装置が付かなかったし、24時間ゴミを出せる工夫もなかった。そこで、今回の「マンション丸ごと、リノベーション」では、各住戸に24時間換気装置を付け、ゴミ出し場所を刷新して「24時間ゴミ出しOK」としている。

丸ごとリノベーションだからこその安心・安全が備わっているわけだ。

インプレッション5——低層3階建てで、元々社宅だったことも大きな魅力

「ルピアージュ田無」の魅力は「刷新した部分」だけではない。じつは、もともとの建物が持つ魅力も大きい。そこが、丸ごとリノベーションの長所といえる。元からある長所は残し、新しくできるところは大幅に刷新。その結果、理想的な住まいが登場するわけだ。

もともとの建物が持つ魅力とは何か。

たとえば、「低層3階建て」であること。

今、首都圏では低層3階建てのマンションがめっきり減ってしまった。マンションの建設費が上がり、低層3階建てを造ると、1戸当たり分譲価格が上昇。建売住宅よりマンションのほうが高額というケースが生じてしまうようになった。だから、低層3階建てマンションはなかなかお目にかかれない。

その点、「ルピアージュ田無」は、希少な低層3階建て。「こういうマンションを探していたんだ」という人も多いはずだ。加えて、敷地内の樹木は大きく育ち、堂々たる枝振りを見せる。これも、新築マンションでは得られない長所となる。

「ルピアージュ田無」は、元々大企業の社宅だった。この「社宅」も注目のキーワードとなる。

私はこれまで、多くの社宅や社宅跡地を見ている。その取材経験で感じるのは、「いい場所が多い」ということ。駅にほど近く、住環境にすぐれた場所……歴史の長い大企業であれば、理想的な場所をいち早く確保しているかもしれない。

「ルピアージュ田無」の建設地も、そんな社宅の一つ。西武新宿線「田無」駅から徒歩10分で、スーパーマーケットまでは徒歩3分。公立の田無小学校へ徒歩7分で、田無第3中学校へ徒歩10分。保育園・幼稚園が徒歩10分圏に9箇所もある。

便利でありながら、第一種低層住居専用地域という一戸建て中心の地域に建つマンションなのである。こんなに便利で落ち着いた場所に新たなマンションが建設される可能性は低い。まして、そのマンションが3階建てになる可能性はさらに低い。そう考えると、「ルピアージュ田無」の希少性が際立ってくる。

同マンションは全50戸の規模で、住戸はすべて73.45m2。間取りは2LDKと3LDKを選べて、分譲価格は4000万円前後となる。

周辺で3LDKの新築マンションを探せば5000万円を超える。もし、低層3階建てが出れば、さらに価格は高くなるはず。

この価格設定も、「ルピアージュ田無」で注目すべきポイントとなるだろう。