2015年9月21日取材
ザ・パークハウス花小金井ガーデン (三菱地所レジデンス)
インプレッション1——大企業の社宅跡地という点に、まず注目

「ザ・パークハウス花小金井ガーデン」はNTTの社宅跡地に建設されるマンションである。この「社宅跡地」は、私にとってマンション立地を取材する際の“要チェックキーワード”となっている。というのも、「社宅跡地なら、好ましい条件を多く備えた場所に違いない」と思うからだ。

日本を代表するような大手企業が社宅を備えていた場所は、駅に近く、緑が多い、静かな住宅地など、多くの人にとって好ましいと思われる住環境を備えているケースが多い。

企業も、そんな住みやすい場所を選んで社宅を設けている。そして、歴史の長い企業であれば、社宅の歴史も長い。つまり、住宅地としての人気が高まる前に、よい場所を先取りしているケースが目立つわけだ。その結果、大規模な社宅地は、地元で名の知れた場所になりやすい。「ああ、○○社宅のある場所ね」と知る人が多くなり、周辺に一般の住宅も増えやすい。社宅を中心に良好な住宅街が形成されたりする。

だから、「このマンションは、社宅跡地に建設されます」と聞かされると、「魅力の多い場所に違いない」と私は思わず膝を乗り出してしまうのである。

「ザ・パークハウス花小金井ガーデン」の敷地も、得がたい条件を備えている。それも、極めて希少な立地条件だ。

まず、建設地は西武新宿線の急行停車駅「花小金井」駅から徒歩7分。駅前の喧噪から離れ、周囲は静かな一戸建て住宅地。それも、10mの高さ制限のある第一種低層住居専用地域である。

土地には「用途地域」が定められ、建設できる建物が制限される。そのなかで、第一種低層住居専用地域は、建設できる建物の高さや内容に最も厳しい制限が設けられる。「ザ・パークハウス花小金井ガーデン」周辺の第一種低層住居専用地域の場合、建設できる建物の高さは10mまで。3階建てまでは建設できる高さだが、現実的には2階建てまでのケースが多くなる。住宅・学校以外の商業施設、オフィス、遊戯施設の建設は制限される。

その中にあって、同マンションの敷地では、昭和36年に旧社宅が建設された。まだ「用途地域」の制定がない時代だったので、高さ10mを超える建物が建設された。その後、用途地域が制定され、社宅周辺は高さ制限10mまでの第一種低層住居専用地域となった。

しかし、社宅は高さ10mを超える建物として存在していたため、社宅地だけは別の用途地域とせざるを得なかったと思われる、第一種低層住居専用地域のなかの「第一種中高層住居専用地域」となった。非常に珍しいケースだ。

その結果、「ザ・パークハウス花小金井ガーデン」は、一戸建て住宅地の中の、6階建てマンションとして建設が可能に。きれいな四角形の敷地で、建物は6階建て。そのため、開放的で、眺望の開ける住戸が多くなる。そのように敷地形状がよく、住環境に恵まれているのは、歴史の古い社宅跡地だからこそだろう。

「ザ・パークハウス花小金井ガーデン」は、社宅跡地の誇りを持ったマンションと評価される。

インプレッション2——西武新宿線「花小金井」駅の魅力にも注目

「ザ・パークハウス花小金井ガーデン」は、東京都小平市に建設される。最寄り駅は建設地から徒歩7分の西武新宿線「花小金井」駅だ。

同駅は急行停車駅で、花小金井は大学のキャンパスが複数ある学園都市として発達。駅周辺の再開発によって、その魅力が増している。駅前のロータリーがゆったりして、桜並木に囲まれた多摩湖自転車道が駅のすぐ近くをはしる。高木に囲まれた自転車道は自転車と人だけの道で、潤いがある。

この道は街の財産だと思う。

潤いがあるだけでなく、「花小金井」駅は都心各エリアへのアクセスがよいという利点も備える。同駅から「西武新宿」駅まで5駅23分。手前の「髙田馬場」駅までは19分。「高田馬場」駅で東京メトロ東西線に乗り換えれば、「大手町」駅まで33分、JR山手線に乗り換えれば「池袋」まで24分となる。

加えて、JR中央線「武蔵小金井」に向かうバスもあり、JR中央線での都心アクセスも可能。その中央線沿線では、このところ新築マンションの価格が上昇している。その“中央線価格”から離れて購入でき、実質的に中央線沿線と変わらない暮らしができるのも、同マンションの強みだろう。

「ザ・パークハウス花小金井ガーデン」が立地する池袋線と新宿線のある西武鉄道沿線には歴史ある住宅地が多い。いわば、“住みたい街”として長く認知されてきた沿線である。近年はJR中央線に注目する人が増えているため、中央線に近い西武新宿線沿線はさらに魅力を増し、狙い目の場所になっていると私は考えている。

インプレッション3——子育てファミリー層のための共用施設が充実

「ザ・パークハウス花小金井ガーデン」は、総開発面積1万7000m2に11棟、全468戸の規模となり、三菱地所レジデンスが分譲する「ザ・パークハウス」として、東京市部における最大規模となる。そのスケールメリットを活かし、共用施設が充実するのも同マンションの注目点だ。

プライベートガーデンや散歩道、提供公園でみどりに囲まれたレジデンスとし、独立した共用棟にコミュニティルームやゲストルームを2つ設置。プライベートガーデンやガーデンパティオ、ガーデンテラスなど、住人の憩いの場がいくつも造られる。それらは、単に施設を設けるだけでなく、各分野の専門家が知恵を出し合い、子供を通して親のコミュニティが育まれ、マンション全体のコミュニティづくりに寄与するようにアイデアが凝らされる。一歩進んだ共用部といえるだろう。

このほか、紀伊國屋書店によって定期的に新しい雑誌が補充される本のラウンジがあったり、コンシェルジュが配置されるなど、共用サービスにも力が入れられる。一方で、毎月の管理費は抑える、という工夫もある。

共用施設・サービスの内容充実で、コストは削減……これが、同マンションの隠れた特徴だ。ムダな施設・サービスを省いていることと、大規模のスケールメリットにより、毎月の管理費・修繕積立金の目安は、70m2相当住戸で1万7000円を少し超えるくらい。将来の上昇も抑えられる計画という。

毎月のランニングコストが抑えられれば、将来、年金暮らしになったときも安心。長く快適に、そして安心して住み続けることができるマンションになるわけだ。

インプレッション4——住戸は収納スペースが豊富で、ディスポーザーと食器洗い乾燥機付き

「ザ・パークハウス花小金井ガーデン」の住戸は、2LDK〜4LDKのファミリータイプで構成され、約66m2の3LDKでもウォークインクローゼットが必ず1つ設置されるなど、収納充実のプランになっている。主寝室は6畳以上の広さとし、天井高は2.5m。バルコニーは奥行き1.8mなど、ゆとりを感じさせる部分が多いのも特徴だ。

設備仕様のレベルも高く、ディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)や食器洗い乾燥機が標準設置となり、キッチンのスライド収納には、引き出しがゆっくり閉まるソフトクロージング機能が採用される。ソフトクロージング機能は小さな調味料入れにも採用され、細かなところも手を抜かない姿勢が感じられた。

最後に、気になる分譲価格は……。

取材時点で分譲中だった住戸は、3LDKが3900万円台から。このところ中央線や神奈川方面では7000万円台の3LDKが珍しくなくなったことを考えると、納得感の大きい設定といえる。この分譲価格で、先述したランニングコスト(毎月の管理費・修繕積立金)であれば、親子で隣り合う2住戸を一緒に買うという選択肢もありそうだ。

総合的に見て、「ザ・パークハウス花小金井ガーデン」は現実的に購入しやすく、長く住みやすさが持続するマンションと評価された。